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フェティシズムの特殊な事例 小学校での女子から男子への性的いじめ |
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1.実際に起きた小学校での性的いじめ ある男性は、小学生の頃、同級生の女子たちに囲まれ、履いていた半ズボンを下着ごと脱がされました。それだけでも十分屈辱的であったにもかかわらず、彼女たちは興味本位で彼の陰部を覗き込み、からかいながら観察したといいます。さらに、素手で触りたくないという理由から、落ちていた木の枝を使い、包皮を無理やりめくり亀頭を露出しようとする行為まで行われ、彼は羞恥と恐怖、痛みが限界に達し、泣き出してしまったそうです。 その泣き声を聞いた誰かが担任教師へ知らせ、事件は表面化しました。しかし、教師は被害者を特定できる形でクラス全員の前で諭すという不適切な対応を取り、彼にとっては二重の屈辱となりました。これは、まさにセカンドレイプといって差し支えない行為です。 彼は当時、精通前であったため性的反応は起こりませんでしたが、成長するにつれストッキングフェティシズムに目覚めました。パンティストッキングやタイツを履くと下半身が「隠され守られる感覚」を強く覚え、成長後も小学生の半ズボンみたいな丈の短いショートパンツにストッキングを合わせる格好で、10代の頃にはその姿で外出するようになりました。当時はその姿を女性に見られただけで強い興奮が生じ、服の上から陰部を押さえ付けるだけで射精してしまうほどで、言い表しようのない恥ずかしさを感じたといいます。 また、直接の因果関係は不明ながら、小学生の頃の記憶として、雨の日に女子が濡れたため脱いで乾かしていたグレーの柄タイツを、今でも鮮明に覚えているとも語っていました。 2.トラウマ性フェティシズムの形成・扁桃体優先のトラウマ記憶 この事例で重要なのは「精通前」に性的いじめが起こったという点です。9〜12歳頃の脳は、海馬と扁桃体が急速に発達している最中で、性的刺激に身体が反応することはあるものの「性欲」としての理解は未成熟です。この未成熟な段階で、強烈な性的刺激と羞恥・恐怖を同時に経験すると、脳は 「性=恐怖・屈辱」という誤った結びつきを形成しやすくなります。扁桃体はこの経験を“最優先記憶”として強烈に焼き付けます。複数の女子に囲まれ、強制的に陰部を露出させられた経験は、その後の性心理に長期的な影響を与え、場合によっては精通後の強制的な性的行為よりも深刻な影響を残すほどです。 そして彼は後に、「ストッキング(柄タイツ)」というアイテムに出会います。 ・脚全体を覆ってくれる ・肌に密着する ・透けているが見えにくく安心感がある これらの特徴に脳が反応し、「ストッキングは自分を守ってくれるものだ」と誤認識するのです。その結果、「晒された恐怖」→「覆いたい・隠したい欲求」→「ストッキングが安心を与える」という連鎖が形成されます。彼にとってストッキングは「安心」と「安全」の象徴になりました。 では何故、ジーンズなどのズボンでは代替できないのか? それは彼の脳が、隠したいという強い欲求(防御)と羞恥の感覚を伴った性的興奮(トラウマ由来の快感)という、相反する2つの事柄を同時に満たすことを必要としているためです。ジーンズは厚く完全に隠せる一方で、密着性、薄さ、透け感という要素もなく、性的興奮を満たすことはできません。これが「ストッキングでなければならない理由」です。 こうして彼は今も、ストッキングを履き続けるとともに、ストッキングを履いた女性の脚を見ただけで激しい興奮と同時に当時の恐怖が蘇るという、相反する感情に囚われたまま、完全な解放を得られずにいます。 参考:DSM-5-TR (2022) Fetishistic Disorder 現行の DSM-5-TR では、児童期の過度な羞恥体験や強制的な露出体験が、その後のフェティシズム形成の一因となる可能性について触れられている。 |
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